ストレッチング総論

こんにちは!
PT/ATの田原です!

今回は,ストレッチングについてまとめていきたいと思います!

ストレッチングもしくはストレッチという言葉はだいぶ馴染みの言葉になってきており,日常的にストレッチを取り入れられている方も多いのではないでしょうか?

スポーツに限らず,ストレッチングは外傷・障害の予防に良い影響を及ぼします.多くの方々により効率的・効果的なストレッチを取り入れてもらうために,ストレッチングに関してスポーツ医学の視点からまとめていきたいと思います!

ストレッチングの歴史

ストレッチングとは,筋を伸ばす運動を指し,1960年代にアメリカで開発され,1975年に発売された「STRETCHING」(ボブ・アンダーソン)によって大きく普及したとされています.

アンダーソンが提唱したのはスタティックストレッチングでしたが,今日では加えてダイナミックストレッチング,バリスティックストレッチング,PNFストレッチングなど様々な手法が取り入れられています.

ストレッチングの目的・効果

ストレッチング

ストレッチングは,コンディショニング,リハビリテーション,外傷・障害の予防の3つを主な目的として実施されます.

その背景には,筋のリラクゼーション効果,関節可動域の増大効果,循環改善による疲労回復効果などの生理的効果があります.

筋のリラクゼーション効果

筋を伸張すると神経系が作用し,筋の緊張が和らぎます.緊張が和らぐというのは,触って硬かった筋が柔らかくなるイメージです.
筋が硬いというのは力が入ってる状態に近いので,そこから力がうまく発揮できなかったり,隣接する関節の動きを邪魔してしまったりします.
ストレッチングによって筋がリラックスすると,筋にゆとりができ,十分に機能を発揮してくれるようになります.

人が緊張するといつも通りのパフォーマンスを発揮できなくなりますよね?
それと一緒ですね!

関節可動域の増大効果

筋をストレッチすると,その筋が影響する関節が動きやすくなります!

これは,筋のリラクゼーション効果と柔軟性の向上効果が影響しています.
以前では,ストレッチングにより筋の柔軟性が向上するとされていましたが,近年では,筋の柔軟性自体が向上しているのではなく,周囲の筋膜などとの癒着が剥がされることで,筋本来の柔軟性を発揮できるようになると考えられています.

どちらにせよ,ストレッチングによってその筋が影響する関節の動きは改善しますので,競技パフォーマンスの向上が期待できます!

循環改善による疲労回復効果

筋をストレッチングすると循環が改善する!?

血管は様々なところに分布しますが,筋内にも多数血管が存在します.
そして,筋内の血液は筋の収縮・弛緩によっても循環されることになります.
筋が緊張して硬い状態だと筋がうまく収縮したり弛緩したりすることができないため,循環不全が起こります.そこに疲労物質が蓄積するとさらに筋を硬くし,筋の機能が低下するといった悪循環を引き起こします.

筋をストレッチして柔らかい状態を維持することで,筋内の血液の循環が改善し,疲労物質の除去が促されます.そういったメカニズムでストレッチングは疲労回復に効果的とされています.

競技パフォーマンスの向上/外傷・障害の予防

ウォームアップやクールダウンのメニューの一部にストレッチングが取り入れられることが多いです.

ウォームアップでは,心拍数や血流量を増加させ,筋温を上げていくようなストレッチングを取り入れていきます.クールダウンでは,筋のリラクゼーションと疲労物質の除去を目的にストレッチングが取り入れられています.

こういった目的に見合ったストレッチングの手法を取り入れていくことで,競技パフォーマンスの向上や外傷・障害の予防が期待できます!

ストレッチングの種類

ストレッチングはその手法によって,スタティックストレッチング,ダイナミックストレッチング,バリスティックストレッチング,PNFストレッチングに分けられます.
TPOに応じてそれぞれの手法を組み合わせておこなっていくことが大切です.

スタティックストレッチング

スタティックとは静的という意味です.
最も広く実施されているストレッチングではないでしょうか?
特定のポジションをとり,そのまま20〜30秒程度維持するストレッチングです.

スタティックストレッチングは,筋のリラクゼーションと柔軟性向上に特に効果的とされており,運動前の実施はリラックスすることで逆効果となるという否定的な意見が多くみられます.

確かにスタティックストレッチングを単独で運動前に取り入れるのは良くないかもしれませんが,ダイナミックストレッチングやバリスティックストレッチングと組み合わせることでより効果的なストレッチングになると考えます!

ダイナミックストレッチング

ダイナミックとは動的という意味です.
運動前の実施により,怪我の予防やパフォーマンスの向上に適しているとされていますが,動作様式の定義は明確ではありません.

バリスティックストレッチング

バリスティックとは反動という意味です.
バリスティックストレッチングは動的ストレッチングの一部とされ,反動を利用して行うストレッチングです.

動作の中では伸張反射を有効活用することが重要で,バリスティックストレッチングは柔軟性を向上させるというよりも,十分な柔軟性が獲得された状態で伸張反射をうまく活用する・促すためのストレッチングになります.

したがって,スタティックストレッチングの後にバリスティックストレッチングを行うとパフォーマンス向上に直結すると考えます!

PNFストレッチング

PNFとは「Proprioseptive Neuromascular Facilitation(固有受容性神経促通法)」の略で,PNFストレッチングはPNFを活用して行うストレッチングになります.

PNFは,元来,リハビリテーションなどで用いられる手技で,筋の収縮効率を高める効果が主になります.実施するにはパートナーを伴う場合が多いです.

 

以上のように,ストレッチングは適切に取り入れていくことで,競技パフォーマンスの向上や外傷・障害の予防が期待できます.そのためにもそれぞれのストレッチングの目的や方法を正しく理解し,その時々で適切な手法を取り入れて実施していきましょう!