テーピング総論

テーピング総論

こんにちは!
PT/ATの田原です!

スポーツトレーナーとして活動する上で,大きな武器となるのがテーピングです.
日常的にはトレーニングを指導したり,ストレッチングやスポーツマッサージを施したりすることが大切ですが,試合などで緊急事態が発生した時に重宝されるのがテーピングのスキルです.
痛みなどが原因で試合に出れない選手をテーピングによって出場させることができるかもしれないからですね.

私自身,スポーツ現場でアスリートやチームとの信頼関係を築いていく際,テーピングを巻いたことがきっかけになることが多かったです.

今回は,そのスポーツテーピングの総論としてまとめていきたいと思います!

テーピングの歴史

テーピングとは,解剖学的な構造および外傷・障害の発生メカニズムなどにそって身体の一部に粘着テープを貼ったり,巻いたりする方法です.

テーピングは1880年代にアメリカ陸軍で行軍中の兵士の足関節捻挫などに対して用いられたのが最初と言われており,その後,アメフトを中心にスポーツの世界に取り入れられ始めたようです.

本邦でも古くから整形外科領域で外傷直後の幹部の安静固定を目的として絆創膏固定法が用いられていました.スポーツにおけるテーピングは,1931年の日米野球の際に同行したアメリカのトレーナーによって初めて紹介されたとされています.

本格的な普及が始まったのはアメリカ製のテーピング用テープの輸入販売および技術習得のための講習会が開始された1975年頃であり,現在では様々なスポーツで広く用いられており,スポーツトレーナーとして欠かせないスキルの一つとなっています.

以前はテーピング=固定というイメージが強かったですが,近年ではファンクショナルテーピングの普及に伴い,不安定性などの過度な可動性は制動しつつも,正常な可動性を制限しないテーピングの手法も増え,様々な場面でテーピングが活用されるようになりました.

テーピングの目的

テーピング

テーピングは,外傷・障害の予防,応急処置,治療,再発予防,パフォーマンス向上,評価などの目的で用いられています.

外傷・障害の予防

外傷・障害はアクシデントによって発生することもありますが,多くは関節の不安定性や機能低下に起因するものです.その関節不安定性や機能低下に対してテーピングを施行することで,外傷・障害の予防が期待できます.

応急処置

外傷が発生した際,医療機関に搬送するまでの間に応急処置(RICE処置)を施すことが重要視されています.受傷直後から適切にRICE処置が施されることで,外傷の重篤化が予防できるとされています.

テーピングでは,このRICE処置の中でも圧迫と固定に対して特に効果を発揮します.

治療

スポーツ外傷・障害に対する治療では,できる限り早く,そして,できる限り良いコンディションで復帰させることが求められます.
そのためには,治療開始初期から積極的な介入が必要となり,テーピングのスキルがあるとそれが可能となります.

術後早期に関節周囲の腫脹をテーピングで圧迫して軽減させたり,関節不安定性を制動して早期の荷重トレーニングに取り組ませたりなどができるようになり,早期の機能回復が期待できます.

再発予防

特に靭帯損傷後などには,医療機関で治療するほどではないが機能不全が残存していたり,再受傷への心理的不安があったりします.その場合,テーピングを施すことで,再発予防が可能となり,選手が安心して競技に取り組めるようになります.

パフォーマンス向上

テーピングでは関節のアライメントを整えることで,関節機能を正常化することができます.それにより,動作効率が改善され,パフォーマンス向上に繋がります.

また,近年,流行しているキネシオテーピングは筋の収縮効率を高めることを主な効果としており,これもパフォーマンス向上に直結すると考えます.

評価

前述の通り,テーピングを用いることで,関節のアライメントコントロールや筋の収縮効率の向上が可能となります.つまり,該当する関節のアライメントコントロールや筋の収縮効率の向上を図ることで症状が改善するかどうかを直接的に確認することが可能となります.

私自身も臨床現場においては,テーピングを用いた評価を行い,患者や選手に病態やアプローチなどについての説明を実施しています.

テーピングの種類

テーピング

テーピングの種類として,アンダーラップ,非伸縮テープ,ソフト伸縮テープ,ハード伸縮テープ,自着式テープ,キネシオテープなどがあります.

それぞれのテープを目的に応じて組み合わせて活用していくことになるので,それぞれのテープの特徴を押さえておくことが重要となります.

アンダーラップ

アンダーラップは,皮膚の保護を目的に使用します.テーピングは皮膚のかぶれを起こす危険性があるので,基本的には直貼りは避け,アンダーラップで皮膚を保護するようにします.

非伸縮性テープ

文字通り,伸び縮みしないテープです.店頭販売されている非伸縮性のテープの多くは白いので,ホワイトテープと呼ばれることが多いです.

非伸縮性テープは,関節の固定やテーピングの土台となるアンカーとして用いられます.
手で簡単に切ることができます.

ソフト伸縮性テープ

伸縮性があり,手でカットできるタイプのテープです.テーピングの最終的なラッピングや軽い固定に用いられます.

ハード伸縮性テープ

伸縮性があり,ハサミでカットするタイプのテープです.サポートテープとして関節を制動するために用いられます.

自着式テープ

粘着性がなく,皮膚には接着しませんが,テープ同士が接着するものです.繰り返しの使用が可能という特徴を持っています.

キネシオテープ

筋と同等の伸縮率を持つテープで,筋の走行に沿って貼ることで筋収縮効率を高める効果があります.テープを貼ることで体内に隙間ができてリンパ液の流れがよくなり,それにより新陳代謝が改善し,自然治癒力が高まり,貼っておくだけで筋の痛みや凝り,外傷・術後の内出血の治りが早くなると主張されています.

 

以上のように,テーピングの目的も種類も様々ですので,その目的応じたテーピングを選択していくことが重要になります!