スポーツマッサージ総論

スポーツマッサージ総論

こんにちは!
PT/ATの田原です!

スポーツトレーナーに求められるスキルの一つにスポーツマッサージがあります
トレーナーに求められる資質やスキルは?

今回は,そのスポーツマッサージについてまとめていきます!

一般的なマッサージは疲労物質の除去を主な目的で行いますが
スポーツマッサージの場合は行うタイミングによって目的が異なります

ストレッチと同様に運動前にウォームアップとして行う場合と
運動後にクールダウンとして行う場合とがあります
行うタイミングやその目的によって,用いる手法も異なってくるので,基本を正しく理解しておくことが大切です!

スポーツマッサージとは?

スポーツマッサージとは,アスリートの運動機能の向上やコンディションの調整,疲労回復などを目的に行われるもので,スポーツ外傷・障害を予防し,競技パフォーマンスの向上を図るものとされています.

日本では,奈良時代頃に「あん摩術」が中国から伝わってきて,民間療法として庶民の手当て,疲労回復,健康増進の手法として長い歴史があります.マッサージは,どちらかといえば西洋医学を基盤とした手技で,日本には明治に入ってヨーロッパから輸入されたものです.日本古来のあん摩術とヨーロッパからのマッサージの手法が統合されて,現代の日本独自のスポーツマッサージの体系が確立されました.

スポーツマッサージの種類

スポーツマッサージといってもその手技には,軽擦法(なでる),柔捏法(揉み捏ねる),圧迫法(指圧),叩打法(たたく),振せん法(ふるわす)の5つがあります.

このように,日本におけるスポーツマッサージは,ドイツ式マッサージの流れを汲んでおり,「なでて,よくもみ,ふるわす」という手技が中心で,最近では,それに加えてマニュプレーション,モビリゼーションといった各種徒手療法が組み合わされてきています.
「スポーツマッサージの基本的手技」

スポーツマッサージを行うタイミング

競技前

競技前には,ウォームアップの補助として,障害部位のケアの目的で競技前に短い時間(3分から5分)行うものです.

手技としては,軽擦法,軽い柔捏法,振せん法,ストレッチなどがその主な手技となります.

競技中

競技中に筋痙攣を起こした時に,まずはその筋をストレッチして,痙攣がおさまったら軽くなで,もんで競技に復帰させるようにします.

また,競技中の休憩時間などの待ち時間を利用して,筋や関節に対して軽くなでたりストレッチして予想される痙攣などを予防したりもします.

競技後

競技後は,特に疲労が蓄積している部位を中心に全身マッサージを20〜30分程度行います.

また,テニス肘や野球肩などのように特定の関節や筋に疼痛や腫脹,熱感などの炎症所見がある場合には,アイシングを施した後にマッサージを行い,必要に応じてテーピングなどを用い,関節を保護していきます.

中間日

シーズンオフや次の試合までに期間がある場合には,障害部位の手当てと全身の疲労回復,体調管理を目的に行います.30〜40分程度の全身マッサージと障害部位に集中的な治療的マッサージが必要となります.

可能であれば,この場合は医療専門家に行ってもらうことが理想です.

スポーツマッサージの効果

スポーツマッサージの主な効果としては,「循環系に及ぼす効果」「神経・筋の興奮性に及ぼす効果」「全身調整に及ぼす効果」があります.

循環系に及ぼす効果

マッサージには,皮膚や筋の血行をよくするとともに心臓の負担を軽くしてマッサージを施した部分だけでなく,全身の血液循環を良くする効果があります.

皮膚や筋の血行が良くなることによって各組織の新陳代謝が改善され,筋の疲労産物である乳酸を除去し,必要な酸素や栄養素が供給されて,筋疲労を回復させ,運動機能の維持・向上を図ることができます.

神経・筋に及ぼす効果

マッサージの手技によって,興奮作用,鎮静作用,反射作用,誘導作用,矯正作用があるとされています.

興奮作用

慢性的な疲労や冷えなどで筋機能が低下している場合,軽擦法や速いテンポでの柔捏法を短時間施行することによって,その興奮性を高め神経・筋の機能を改善させる作用があります.

鎮静作用

競技後の急性の疲労による筋緊張,筋硬結,慢性的な神経の自発痛や圧痛など,神経・筋の興奮性が高まっているときには,ゆっくりとしたテンポでの軽擦法,やや強めの柔捏法,圧痛点に対する持続的圧迫法を施すと,その興奮性を鎮静させる作用があります.

反射作用

障害部位と離れたところをマッサージすることで,神経・筋の疼痛や緊張を和らげたり,内臓の具合を整えたりすることのできる作用があります.

誘導作用

捻挫や打撲などの外傷の際,その部位をアイシングする必要があります.同時に障害部位よりも中枢側を求心性に心臓方向に向かって軽く速い軽擦法を施すと,浮腫を軽減させることができる作用があります.

矯正作用

捻挫,脱臼,肉離れなどの外傷後は炎症症状が現れます.その炎症症状の後遺症として関節包や靭帯,腱など関節周囲の軟部組織のこわばりが残ることが多くあります.

関節周囲の強擦法(強くなでる)や按捏(強めのなでもみ),周囲の筋のストレッチを行うことで,病的浸出液の沈着を防ぎ,関節の拘縮を予防する作用があります.

全身調整に及ぼす効果

マッサージは,身体の表面から適宜な触擦,圧刺激を加えることによって血流がよくなるばかりでなく,ほどよい快感を覚えて,全身的に自律神経や内分泌の働きを調整することができ,胃腸の働きや睡眠の質にも良い影響をもたらします.


以上のように,マッサージの種類や効果は多岐にわたります.単にリラクゼーション目的だけではなく,使い方を工夫して,様々な場面で活用していけるようになることが大切ですね!