ピリオダイゼーション総論

ピリオダイゼーション理論

こんにちは!
PT/ATの田原です!

怪我を予防し,競技パフォーマンスを向上させるためには
トレーニングをより効果的・効率的にしていく必要があります

もちろん,ただやみくもにトレーニングを積めばいいというわけではありません
ピリオダイゼーションという考え方に基づいてトレーニングプログラムを組んでいくことで
目的とするトレーニング効果が得られるようになります

ということで今回は
ピリオダイゼーション理論についてまとめていきます

ピリオダイゼーションとは

1960年代にロシアの生理学者マトヴェイヘフによって
以下のようなピリオダイゼーションの概念が提唱されました

ピリオダイゼーション
一定のサイクルの枠内におけるトレーニング構成と内容の
合目的で周期的な変化

ピリオダイゼーションの概念は,一般適応症候群(GAS理論:general adaption syndrome)を基盤に考えられいます.

これまでは単純に「トレーニング」の中での考え方として用いられてきました
しかし,現在では,最高のパフォーマンスが発揮できるよう
多くの競技においてピリオダイゼーションの方法が研究され,活用されています

GAS理論とは

カナダの内分泌学者セリエは
人間のストレスに対する適応としてGAS理論を提唱しました

GAS理論は
有害なストレス反応として初期に生じる個体の機能低下に対して
副腎がどのように反応するかを説明したものです

例えば,身体に対するストレスは,生死に関わるほどのものでなければ
必ず生体機能適応もしくは機能改善の時期がきます

その後,適応はプラトーに達しますが
この時に有害なストレスが持続すれば機能低下が生じます

生体の適応が継続されるためには
ストレスを取り除くための期間が必要とされています

身体のストレスに対する適応をトレーニングに当てはめると以下の3段階に分類できます.

ショック段階または警告段階

トレーニングにより,筋に強い刺激が加わると
極度の筋肉痛が生じ対することで,全体のパフォーマンスレベルが低下します
これは,数日から数週間持続します

抵抗段階

ショック段階の後,身体が刺激に対して適応し
正常な機能の回復を図る提供段階が訪れます

この時期には,筋の形態的適応(筋肥大)だけでなく
神経系の適応も生じます

これらの適応が生じるのには時差があり
筋の形態的適応よりも神経系の適応の方が早いため
トレーニングプログラム初期には
筋肥大はみられないが,筋力は増強するという現象がみられます

疲憊段階

抵抗段階においてさらに強い刺激が継続し
十分な機能回復のための休息が図られないと
警告段階と同様の症状が生じる疲弊段階に入ります

この疲弊段階が継続すると
刺激に対する適応障害が生じてしまい
いわゆるオーバートレーニング症候群に陥る危険性があります

オーバートレーニング症候群
生理学的,心理学的,免疫学的,生化学的な適応障害により
パフォーマンスが低下するもの

ピリオダイゼーションのサイクル

ピリオダイゼーションでは以下の3つのサイクルを元にして
トレーニングプログラムが構成されていきます

マクロサイクル

トレーニングプログラム開始から終了まで
長期的なプログラムがマクロサイクルになります

一般的には1年間のプログラムを指しますが
オリンピックサイクルや大学在籍中の4年間サイクル
逆に数ヶ月サイクルをマクロと捉えることもあります

発育・発達に関わる場合は
比較的,長期的なマクロサイクルの中で
プログラムを構成していくことが推奨されています

メゾサイクル

マクロサイクルは
数週間〜数ヶ月のメゾサイクルに分割されます

メゾサイクルの数は
同じ競技種目であっても,個人が獲得しようとする目的によって異なります

また,マクロサイクル内に行われる試合数によっても
メゾサイクルを組んでいく場合もあります

ミクロサイクル

メゾサイクルは
さらに1週間ごとのミクロサイクルに分割されます

プログラムによっては数週間にわたることもありますが
1週間単位のミクロサイクル内で1日ごとのプログラムが構成されていきます


以上のようなピリオダイゼーションの考え方に則って,トレーニングプログラムを構成していきます.次回は,トレーニングプログラムを構成していく際に必要となる「トレーニング周期の考え方」についてまとめていきます.