[voice icon=”https://sports-trainers-share-site.com/wp-content/uploads/2019/01/13.png” name=”だいじろう” type=”l”]こんにちは!
STSSトレーナーのだいじろうです。
ここでは、『体幹の機能解剖』について学んでいきましょう![/voice]
体幹の機能解剖
近年は、『体幹トレーニング』や『ピラティス』『ヨガ』などの影響もあり、体幹が注目されています。
スポーツトレーナーとしても体幹について理解しておくことがとても重要になります。
体幹の機能解剖としては、以下のように分けられます。
[aside type=”boader”]【体幹の機能解剖】
・脊柱の機能解剖
・頚椎の機能解剖
・胸椎・胸郭の機能解剖
・腰椎・骨盤帯の機能解剖[/aside]
ここでは、体幹のなかでも『脊柱の機能解剖』についてまとめていきます。
脊柱の骨格
脊柱は、頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個で構成されています。
脊柱の機能としては
・頭部・体幹を支える支持機能
・頭部・体幹を屈伸・側屈・回旋させる運動機能
・脊髄・馬尾神経を容れ、保護する神経保護機能
の3つがあります。
このなかでも、支持機能が破綻してしまうと、脊椎の不安定性が生じ、頚部痛や腰痛などが発生します。
また、神経保護機能が破綻してしまうと、四肢に放散痛やしびれ、筋力・知覚の麻痺症状が生じます。
脊柱の関節
脊椎の連結
脊柱を縦断面でみると、椎体と椎体の間には椎間板が存在しています。
椎間板は、脊柱への加重を分散させたり、椎体間の運動を調整する役割があります。
後方では、上下の関節突起が椎間関節を形成しています。
椎間関節は、椎体間の動きを生理的なものにする役割があります。
椎間関節の関節包には、受容器が多く存在し、脊柱の位置センサーとしての役割もあります。
椎体前方では前縦靭帯、椎体後方では後縦靭帯、椎弓間では横足根関節、棘突起間では棘間靭帯・棘上靭帯で連結・支持されています。
これらの靭帯によって、それぞれが適切な可動性を有する関節として機能することができるようになります。
椎間板は、髄核とそれを取り囲む線維輪から構成されます。
髄核中のプロテオグリカンの保水作用により、髄核が水分含有の多いゲル状の性状をもち、椎間板は、加重・圧迫力を周囲に分散させる衝撃吸収帯として機能します。
脊椎の加齢変化
加齢に伴って退行性変化をきたし、髄核の水分含有量が減ってくると、脊椎の支持機能・運動機能が低下してきます。
さらに髄核の水分含有量の低下に伴い、椎間板の高さが減少し、同時に椎間孔も狭小化します。
椎体周囲に過剰な負荷が加わることによって、骨棘が形成され、椎間孔はさらに狭小し、神経の圧迫障害を起こします。
椎間関節への加重負荷も増加するため、同関節の変形性変化をきたします。
この状態を変形性脊椎症といいます。
また、骨棘形成や椎間板膨隆、椎間関節の肥大および黄色靭帯の肥厚によって、脊柱管が狭小し、神経の圧迫による症状を呈した場合を、脊柱管狭窄症といいます。
髄核の可塑性が低下し、線維輪が加重・運動負荷によって破綻すると、髄核が脊柱管に突出し、椎間板ヘルニアをきたすことになります。
脊柱の彎曲と運動
脊柱は正面からみると、一直線に連なっています。
何らかの原因でこのアライメントが乱れ、正面像で彎曲が生じた状態を側彎といいます。
側彎には、生まれつきの脊椎骨奇形による先天性側彎、原因不明で思春期の女性に頻度の高い特発性側彎、脊椎骨の変形によって生じる変性側彎、椎間板ヘルニアなどの神経症状を回避するために生じる疼痛性側彎んどがあります。
脊柱を側面からみると、頚椎では前彎、胸椎では後彎、腰椎では前彎を呈しています。
この彎曲は生理的彎曲といわれ、その程度は個人差が大きいとされています。
生理的彎曲は、骨盤・仙骨の傾斜の影響を受けます。
骨盤が前傾位をとり仙骨傾斜角が大きくなると、生理的彎曲は増強されます。
逆に骨盤が後傾位をとり仙骨傾斜角が小さくなると、生理的彎曲は減少します。
この骨盤の傾斜は、股関節や膝関節の可動性によって影響を受けるため、下肢の関節の状態も脊柱アライメントに影響を与えます。
上位頚椎
第1頚椎は環椎、第2頚椎は軸椎とよばれ、後頭骨とともに1つの運動複合単位を形成しています。
後頭骨ー環椎間は、前後径の長い環椎後頭関節で接合し、中・下位頚椎の動きによらない15°程度の前後屈運動が可能で、環椎後頭関節の関節包および環椎十字靭帯で安定化されています。
後頭ー環椎間では、回旋運動が生じない関節構造となっています。
環椎ー軸椎間は、左右一対の環軸関節、および軸椎歯突起と環椎前弓後面がなす後正中環軸関節で結合しています。
環椎ー軸椎間は特徴的な形態をしており、左右約45°の回旋可動域を有しています。
約10°の前後屈可動域も有しますが、側屈可動域は有さない構造となっています。
中・下位頚椎
第3頚椎から第7頚椎は、形態的に類似しています。
第3〜5頚椎は二峰性の棘突起を、第6・7頚椎は一峰性の棘突起を有し、より胸椎の形態に近くなります。
第7頚椎棘突起は隆椎とよばれ、体表から触れることが可能です。
中・下位頚椎のそれぞれの連結は、他の椎骨間と同様に椎間板および一対の椎間関節で形成されます。
椎体上縁の両外側にある鉤突起によって、頚椎の椎体間は正面からみると、上方が凹形で下方が凸形となり、椎体下縁外側部との間で鉤椎関節(Luschka関節)を形成します。
鉤椎関節は頚椎の安定性に寄与していますが、その変形性変化による骨棘形成によって椎間孔が狭小し、神経根を圧迫する場合があります。
頚椎椎間関節は矢状面において、水平面に対して約45°の角度をもっており、これによって中・下位頚椎は広い前後屈可動性を有します。
とくに第4〜5、第5〜6頚椎間での可動性は約20°と広くなります。
また、椎間関節が水平面となす角度は、上位頚椎に比べ、下位頚椎で大きくなっているため、上位頚椎間は下位頚椎間に比べて、回旋運動が大きくなっています。
胸椎
胸椎は、12対の肋骨と連結し、胸郭を形成し、心臓や大血管、肺を保護しています。
第1肋骨から第10肋骨は、胸骨と強固に連結しているため、第1胸椎から第10胸椎の間では屈曲ー伸展可動域は小さくなります。
第11肋骨と第12肋骨は胸骨と結合しないため、第11胸椎と第12胸椎は可動性が大きくなります。
こういった構造から、第1から第10胸椎は外力に対して安定性が高くなります。
そのため、大きな外力によって脊椎損傷が生じる場合は、可動性を有する第11胸椎や第12胸椎に生じることが多くなります。
腰椎
腰椎は、上体の加重負荷を支えるため、他の脊椎骨と比べて大きな椎体を有します。
腰椎椎間関節の関節面は関節面は矢状面に近くなるため、回旋可動性は少なく、主に屈曲ー伸展可動性を有することになります。
脊髄・馬尾神経
椎体・椎間板後面と椎弓・黄色靭帯前面に囲まれた脊柱管のなかを、脳・延髄からつながる脊髄が走行します。
脊髄は、神経細胞を有する一種の中枢神経で、第1腰椎高位に下端を有し、それ以下の腰椎高位では脊髄より枝分かれした神経根枝が馬尾神経を形成します。
頚椎の脊柱管の前後径は、人種差・個体差が大きいとされています。
頚椎の脊柱管では13mm以下になると、脊髄の圧迫性障害が生じやすくなるとされています。
このような状態を発育性脊柱管狭窄症いいます。
この発育性脊柱管狭窄症に、退行性変化としての椎間板ヘルニアや変形性頚椎症が加わると、頚髄症を発症します。
また、脊椎の骨折や脱臼によって神経保護機能が破綻すると、重篤な場合には、障害神経高位より下位の運動、知覚、膀胱機能が全廃してしまいます。
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