スポーツトレーナーの歴史

日本におけるスポーツトレーナーはこうやって始まった!

スポーツトレーナーを取り巻く環境も時代とともにどんどん変化していきています。

これからの変化に対応していくためには、日本のスポーツトレーナーがどんな歴史をたどってきたかを把握しておくことは大事かなと思います。

今回は「日本のスポーツトレーナーの歴史」として日本スポーツ協会公認アステティックトレーナーについてまとめていきます!

 

日本スポーツ協会公認スポーツ指導者制度

スポーツトレーナー 日本でスポーツトレーナーとして活動していく場合、とくに資格の規定などはありません。

実際にスポーツ現場で活動してるトレーナーは、つぎのような資格をもっています。

JSPO公認アスレティックトレーナー 
JATA認定アスレチックトレーナー
NATA公認アスレティックトレーナー 
NSCA認定パーソナルトレーナー
NSCA認定CSCS
理学療法士
作業療法士
柔道整復師
鍼灸師
あん摩マッサージ指圧師
健康運動指導士

いろんな資格をもった方がスポーツ現場で活動されています。

しかし、ご存知のとおり、日本でスポーツトレーナーとして活動する際、この資格が必要!というものはありません。

極端にいえば無資格でもできます!

最近では「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーを有していることが望ましい」という文言があることが増えてきました。

これからスポーツトレーナーとして活動したい!という方は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を取得した方が良いかもしれませんね。

そういった背景をふまえて、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーについてまとめていきます!

 

公認スポーツ指導者制度の制定

東京オリンピックの翌年1965年に、日本体育協会(現:日本スポーツ協会)はスポーツ指導者の養成事業をはじめました。

東京オリンピックの開催決定をきっかけに強化対策本部を設置し、スポーツ医科学の面からのサポートを得ながら海外の選手強化に関する情報を収集し、アスリートを育成・強化していきました。

そこで得られたノウハウを全国に広め、今後のアスリートの育成・強化に活かしていき、それまでの経験主義的な強化指導を改善させていくために、現場のスポーツ指導者向けに養成講習会を開始したのが現在のアスレティックトレーナー養成講座です。

1977年からは、スポーツ指導者の役割に応じた資格認定と指導体制を確立するために、現在の公認スポーツ指導者制度の元になる「日本体育協会公認スポーツ指導者制度」が制定されました。

【スポーツ指導者の分類と資格】

分類 資格
スポーツ指導基礎資格 スポーツリーダー
競技別指導者資格 指導員
上級指導員
コーチ
上級コーチ
教師
上級教師
フィットネス資格 ジュニアスポーツ指導員
スポーツプログラマー
フィットネストレーナー
メディカル
コンディショニング

資格
スポーツドクター
スポーツデンティスト
アスレティックトレーナー 
スポーツ栄養士
マネジメント資格 アシスタントマネジャー
クラブマネジャー

 

文部科学大臣事業認定

日本スポーツ協会では、同時の文部大臣事業認定制度の創設を受け、1988年に文部省の制度を導入した新しい「公認スポーツ指導者制度」に改定されました。

2000年にはスポーツ振興法第11条に基づく実施省令として、新たにスポーツ指導者の知識・技能審査事業の認定に関する規定が定められましたが、公益法人に対する行政の関与のあり方が見直され、2005年度末をもって文部科学大臣事業認定制度に基づくスポーツ指導者養成事業が廃止されることになりました。

 

公認スポーツ指導者制度の改定

スポーツ振興法第11条の実施省令化に伴って、日本体育協会公認スポーツ指導者に寄せられる期待と責任は高まりました。

それに合わせて、日本体育協会指導者養成育成専門委員会の中に指導者制度検討プロジェクトが設置され、公認スポーツ指導者のさらなる資質向上と養成講習形態の見直しを図るための制度改定作業がはじまりました

ここで、これまでのスポーツ指導者育成事業の成果と問題点を検証するとともに、今後のスポーツ現場において必要とされるスポーツ指導者の役割を検討されました。

さらに「望ましいスポーツ指導者像」を明確にして、そういったスポーツ指導者に求められる能力とその能力を身につけるためのカリキュラムづくりがすすめられました。

そして2005年4月1日付けで「公認スポーツ指導者制度」を改定され新たなスポーツ指導者育成が開始されました。

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日本スポーツ協会アスレティックトレーナー養成事業

スポーツトレーナー

日本スポーツ協会アスレティックトレーナーは、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者の1つの資格として位置付けられています。

現在のアスレティックトレーナー養成事業が始まるまでの過程についてまとめていきます。

 

養成事業が始まるまで

日本体育協会(現:日本スポーツ協会)では、1965年より指導者養成事業がはじまりましたが、当時の資格名称は「スポーツトレーナー」でした。

役割としても現在のアスレティックトレーナー というよりは、競技力向上指導者・コーチに位置付けられていました。

1977年には「公認スポーツ指導者制度」が制定され、当時のスポーツトレーナーは競技別専門科目を学ぶことで、コーチと位置付けられることになりました。

一方アメリカにおいては、1950年に全米アスレティックトレーナーズ協会が設立され、1970年から公認資格制度が導入されたことから、スポーツ界において有資格者としてアスレティックトレーナーが広く認められるようになりました。

当時のスポーツトレーナーの養成事業が終了した後の日本体育協会公認スポーツ指導者制度におけるトレーナーの位置付けは、トップアスリートを対象にメディカルを重視した役割とするとして検討が進められました。

そういった背景もあって現在では、日本スポーツ協会が認定するトレーナーの役割については、以下のような方針になりました。

医療関係の法律に抵触しない範囲でスポーツドクターとの緊密な協力のもとに
競技者の健康管理
スポーツ外傷/障害の予防と応急処置
アスレティックリハビリテーション
コンディショニング
などを担当することとし、医療関係の資格をもっていればそれだけの範囲が広がるが、認定事業としては医療資格にはこだわらない

日本スポーツ協会アスレティックトレーナーを取得したとしても、理学療法士やマッサージ師のような医療資格ではなく、あくまでもスポーツ指導者であるということが強調されました。

 

養成事業の実施

前述したような経緯で1994年に、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者制度が改定され、公認アスレティックトレーナーの認定事業が開始されました。

アスレティックトレーナーの役割は、スポーツドクター及びコーチとの緊密な協力のもとに

スポーツ選手の健康管理
障害予防

スポーツ外傷の応急処置
アスレティックリハビリテーション

体力トレーニング
コンディショニング

等にあたることとされました。

1996年度から実施された正規のアスレティックトレーナー養成講習会は、2年間かけて共有科目講習会と専門科目講習会を受講し、それぞれの検定試験を受験するものになってます。

【共通科目講習内容】
集合:118h、通信:110h、計:228h
スポーツ社会学(集合:8h、通信:20h、計:28h)
スポーツ心理学(集合:12h、通信:16h、計:28h)
トレーニング科学(集合:37h、通信:24h、計:61h)
スポーツ医学(集合:32h、通信:24h、計:56h)
スポーツと栄養(集合:6h、通信:6h、計:12h)
スポーツ指導論(集合:8h、通信:18h、計:26h)
地域におけるスポーツ行政(集合:4h、通信:2h、計:6h)
研究協議など(集合:11h、通信:0h、計:11h)

【専門科目講習内容】
計:136h
アスレティックトレーナーの役割(6h)
トレーニング科学(8h)
スポーツ医学(18h)
スポーツと食事(10h)
救急法実習(22h)
アスレティックリハビリテーション(20h)
テーピング実習(16h)
コンディショニング実習(6h)
ドーピング・コントロール(6h)
現場における安全確保(6h)

 

アスレティックトレーナーマスター

アスレティックトレーナー には公認コーチや公認指導員のような上級資格がありません。

その代替のような形で、アスレティックトレーナー養成事業に特に尽力している方で、次の条件を満たす方の中から、日本スポーツ協会アスレティックトレーナー部会にて選考され指導者育成専門委員会にて承認された方をアスレティックトレーナーマスターとして認定しています。

・アスレティックトレーナー有資格者であること
・年齢35歳以上の者であること
・アスレティックトレーナーとして中核的な役割を果たした実績がある者
・アスレティックトレーナーを育成/指導した顕著な実績がある者で今後とも継続してアスレティックトレーナー育成/指導にあたる者
・人物/見識ともに優れアスレティックトレーナーマスターとして相応しい者

 

公認アスレティックトレーナー研修会

アスレティックトレーナーの役割は多く、競技者・コーチ・スポーツドクターなどのスポーツ現場、あるいはさまざまな団体から質の高いアスレティックトレーナーが必要とされています。

そのため、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者の資格有効期限は4年間で更新するためには期限がきれる半年まえまでに、更新のための研修である「義務研修」を受講することが義務付けられています。

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そして、単に資格を更新するためだけのものではなく、常に最新の情報を得て自己研鑽を重ね、より一層の資質向上に努めていくことが求められています。

 

アスレティックトレーナー連絡会議

1994年にアスレティックトレーナー養成事業がスタートし、アスレティックトレーナーが次第に増えていきました。

それに伴い、アスレティックトレーナー同士の情報交換の場の必要性が高まったことから、2001年にアスレティックトレーナー連絡会議が発足しました。

情報提供・情報交換・情報共有し、競技の普及・発展および地域におけるスポーツ活動に貢献することを目的とした全国的なネットワークの構築を目指し、活動が展開されています。

 

資格更新のための一次救命処置資格保持義務

スポーツ現場においてもっとも身近にアスリートをサポートするアスレティックトレーナーは、いつ何時に一次救命処置を必要とする状況に遭遇するかわかりません。

そのため、アスレティックトレーナーの資格取得前に赤十字救急法救急員資格を取得することになっています。

いざとなったときに的確に処置することができることが求められるので、資格更新要件にも一次救命処置資格の保持が義務付けられています。

 

まとめ

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格取得は簡単ではありません。

そのため、日本のスポーツ現場では、理学療法士や柔道整復師などの医療系国家資格をもっている方々がスポーツトレーナーとして活動されています。

どの資格をもっていたとしても、日本において、スポーツトレーナーは医療従事者ではなく、スポーツ指導者としての立場にあります。

そういった背景をふまえて、スポーツトレーナーとしての役割や責務を果たしていくためにも、日々の研鑽をつづけていきましょう!

 

以上、『日本におけるスポーツトレーナーはこうやって始まった!』でした。