スポーツトレーナーの花形!ラグビーにおけるスポーツトレーナーの役割

スポーツトレーナーの花形!ラグビーにおけるスポーツトレーナーの役割

ラグビーは競技特性として、タックルなどの激しいコンタクトプレーを繰り返すため、外傷の発生頻度が非常に高い競技です。

アメリカンフットボールやアイスホッケーと違い、ヘルメットや硬い防具の仕様は一切認められていないため、コンタクトプレーによる外傷も高頻度に発生します。

プレー中の外傷として、靭帯損傷、打撲、挫傷、骨折、脱臼、顔面頭部の創傷、脳震盪などがあります。

そういった背景をふまえて、日本ラグビー協会はセーフティアシスタント制度を実施しています。

セーフティアシスタント制度は、試合中の負傷による中断を最小限に抑えることが目的としたラグビー独自の制度であるのと同時に、試合中のケガへの迅速な対応という重要な役割を担っています。

そのため、日頃から競技者の状態に精通しているチームトレーナーがセーフティアシスタントを兼任することになります。

セーフティアシスタントには、ラグビーの流れを理解したうえで、試合の進行とは別に単独で活動することにより、すばやく負傷の程度を判断し、試合に対応する能力が要求されます。

 

セーフティアシスタント制度

セーフティアシスタント制度

セーフティーアシスタントの認定講習会受講資格

日本ラグビー協会および各都道府県におけるセーフティーアシスタント認定講習会を受講し、適格であると判断され、所定の手続きを経た者にたいして日本ラグビー協会が認定します。

【受験資格】
1)ラグビー競技の現場における安全管理を志す者または担う者
2)年齢15歳以上(中学生以下は不可)、性別は問わない。
3)ラグビー競技を理解し、セーフティーアシスタント職務をおこなえる身体であること。
※ルールを正確に理解し、またゲームの流れをある程度推察でき、状況に応じて機敏に行動できる能力ならびに身体を有する者。
4)ラグビーで生じやすいスポーツ外傷・障害について基礎的な事項を理解していること。
※講習会などにおいて、スポーツ外傷・障害についての基礎的知識を習得し、それを実践できる能力を有すること。

セーフティーアシスタントの役割と任務

セーフティーアシスタントの役割は、試合の進行を円滑にし、アスリートの安全を図ることです。

競技区域内では、つねに中立の立場で行動し、目の前で相手チームのアスリートが倒れていても同様に処置をおこなうことが求められます。

その際、試合に関する戦略的な指示をアスリートに与えてはいけないとされています。

【セーフティーアシスタントの任務】
1)試合前にレフリーにセーフティーアシスタント認定証を提示し、セーフティーアシスタントであることを告げレフリーの指示に従う。
2)負傷者が出たと判断した場合は、レフリーの許可なく直ちに競技区域内に入り、試合の継続を妨げないように速やかに負傷者のところに行く。
3)負傷が軽度である場合、その場で処置をおこなう。処置が長引くようであれば、アスリートを競技区域外に出して処置をおこなう。競技区域外に出たアスリートが競技に復帰するときには、レフリーにその旨を告げ許可を得なければならない。”軽度の負傷”とは軽度の打撲や擦過傷など簡単な処置後、直ちに競技に復帰できるものをいう。
4)軽度の負傷でないと判断した場合、直ちにレフリーに手を挙げて知らせ、レフリーの指示に従う。
【セーフティーアシスタントの道具】
1)テープ類
ホワイトテープ(13mm、19mm、38mm)、エラステープ(25mm、50mm、75mm)、エラステープ・ハンディカットタイプ(25mm、50mm、75mm)
2)止血用品
スキンクロージャー(止血用テープ)、タオル、消毒薬
3)スプレー類
コールドスプレー、松やにスプレー(滑り止め)
4)その他
競技者のコンタクトレンズの予備、コンタクトレンズ用目薬、メモ用紙、ボールペン、水、氷など

 

セーフティーアシスタントに求められる対応

セーフティーアシスタントに求められる対応

軽度の負傷にたいする処置

a)軽度の外傷

打撲やひねりによる症状を軽減するために、スプレーや水、氷などにより負傷部位を冷やします。

短時間のうちに症状が軽減したら、競技に復帰させます。

b)擦過傷

擦過傷などでは、水で負傷部位を洗浄するとともに清潔なタオルなどで拭きます。

傷が深くないことを確認し、競技に復帰させます。

必要がにおうじて、ガーゼやテープなどで傷口を保護します。

傷が深い場合や出血が止まりにくい場合は、退場させ処置します。

退場させた後に競技に復帰させる場合は、レフリーの許可を得る必要があります。

 

負傷の程度の判断

負傷の程度が中等度以上であるばあいには、セーフティーアシスタントの職務を越えたものです。

そのため、負傷の程度が中等度以上であると判断した場合は、直ちにレフリーに手を挙げて知らせる必要があります。

a)頭部外傷

頭部打撲については、生命の危険があることを認識して対応しなければなりません。

タックルなどの後で倒れているプレーヤーはあわてて動かさず、まず倒れたままの状態で意識の有無をチェックします。

そこで少しでも以上がある場合はすぐにレフリーに知らせます。

意識のない場合は警部損傷を合併していることも考慮し、慎重に対応します。

「脳震盪/脳震盪の疑い」の所見が見られ、確認された場合は直ちに退場させ、医師の診察もしくは医療機関を受診し、段階的競技復帰プロトコル(GRTP)に従って復帰することとなります。

『IRB 脳震盪ガイドライン』

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b)頚部損傷

頚部損傷も慎重に対応しなければなりません。

スクラムやタックル後でプレーヤーが倒れた場合は、頚部損傷の有無を確認しなければなりません。

競技中止に際しては直ちにレフリーに知らせます。

 

c)関節損傷

関節とくに膝関節を負傷した場合は、その後のラグビー活動に影響が大きいので慎重に対処し、無理をさせないようにします。

とくに痛みが激しい場合や不安定感を訴える場合には注意を要します。

 

d)その他

上記以外の負傷で”軽度の負傷”の程度を越えているものであると感じた場合は、無理をせず慎重に対処します。