スポーツトレーナーが陸上競技にかかわる上で知っておくべきスリーステーションシステム

スポーツトレーナーが陸上競技にかかわる上で知っておくべきスリーステーションシステム

日本陸上競技連盟では年一回のセミナーと研修会を10年以上にわたり開催を継続し、維持委員会トレーナー部に500名を超える部員が登録されています(2006年現在)。

トレーナー部員のおもな活動は、強化競技者の合宿遠征、大会帯同ですが、国内で開かれる日本陸上競技連盟主催の大会においては、大会でのアスリートの体調の維持管理や競技中のアクシデント発生時のサポートや、円滑な大会運営のため、スリーステーション制とよばれるシステムを運営しています。

 

スリーステーション制とは

スリーステーション制とは

1.メディカルステーション:医務室・ドクタールーム
2.トレーナーステーション:スポーツトレーナーの活動拠点
3.スタジアム救護ステーション:競技中の傷害発生に対処

この3つの拠点をうまく連携しておこなうシステムをスリーステーション制といいます。

 

まず、主催者とどのような規模の大会で、スタッフを何名で運営するかを検討します。

全部員に年度始めに、活動希望の調査をおこない、活動可能な部員から選出します。

統括責任者となる者を選出、多くは連盟から痛くを受けている医事委員会委員が担当し、開催地から近隣の部員を中心に編成します。

各大会でのスポーツトレーナーの編成は総勢12〜15名で、そのうち、常時2名、2班はスタジアム救護ステーションにあたり、ローテーションしながら、トレーナーステーションと救護班を努めます。

12〜15名のスポーツトレーナーでこの活動が円滑に進められます。

ただし、現実的には、運営費の削減などで、10名に満たないこともあります。

その際には競技役員や補助役員と協力してスタジアム内での救護活動をおこなうことになります。

 

実際の大会運営でのメディカルステーションはドクターが1〜2名、看護師2〜4名が一般的です。

最近の主要大会では、ドーピングコントロールがおこなわれており、ドーピングコントロールオフィサーがドクターの場合、医務を兼任することもありますが、急を要する場合などもあるので、可能な限り兼任しない方がいいとされています。

 

トレーナーステーションの運営

トレーナーステーションの運営

トレーナーステーションは、ウォームアップエリアに面したところやメイン競技場内の室内走路に設置されることが多いです。

救護との連携の視点からすると、メイン競技場にあるといいですが、アスリートのコンディションづくりの視点からすると、ウォームアップエリアに近いことがより好都合となります。

トレーナーステーションは大会によって活動内容が異なるとされています。

日本選手権や国際陸上では、ケガや痛みをもったアスリートのケア・治療と、ケガの症状のないアスリートと、試合前のコンディショニングや試合後の疲労回復のために利用する競技者とは分け隔てなく利用できます。

出場アスリート数の多いインターハイや国体でのトレーナーステーションでは、コンディショニングや疲労回復に応じられるだけの体制がとれないため、ケガや痛みをもっているアスリートにたいして、ケアやカウンセリングすることのみに対応しています。

実際にケガをしているアスリートのケアには時間を要するため、1日に複数回の利用となることも多いようです。

 

トレーナーステーションの準備

トレーナーステーションの準備

<設備>
1.テント:2張り以上
2.横幕:四方を完全に覆うもの(雨天対策)
3.床板:木製パネルで床全体を覆うもの(雨天対策、衛生対策)
4.電灯:各テントに1基ずつ設置(日没時の対応)
5.電源:電源ドラム1〜2基(治療機器に使用)
6.テーブル:折りたたみテーブル10台(受付、物品設置用)
7.イス:20脚
8.担架:1台(スタジアム救護用もふくめ計3台)
9.ベッド:7〜10台
10.トランシーバー:5台(メディカルステーション、トレーナーステーション各1台、スタジアム救護ステーション2台、統括責任者が携帯)
11.氷、アイスボックス:小片角氷20袋/日(大型アイスボックス3台に満杯になる量)
12.パーテーション:4〜6台
13.立て看板:「日本陸上競技連盟トレーナーステーション」と明記
14.補助員:2〜3名/日(受付係の地元学生)
15.昼食・弁当:スポーツトレーナー 人数分
<スポーツトレーナー用品>
1.ベッド:大会事務局で用意できない場合はスポーツトレーナー部で手配

2.ホットパック:電気式または湿式1〜2台
3.低周波治療器:1〜2台
4.超音波治療器:1台
5.その他の治療器
6.固定装具:エアスプリント、バキュームスプリント、頚部固定装具、その他副子
7.救急用品:蘇生バッグ、CPRマスク
8.テープ類:テーピングに必要な物品(連盟とテープメーカーが契約)
9.衛生材料:ガーゼ、包帯など(スポーツトレーナー部で購入し請求)
10.アイスボックス:携帯用2台

これらは大会事務局で準備できない物品についてはスポーツトレーナー部で用意することがあります。

 

スタジアム救護班

スタジアム救護班

スタジアム救護班はメディカルステーションへの迅速な搬送が目的となります。

2名以上で構成された2〜3班が競技場に待機して、アスリートのアクシデントに対応します。

ケガの発生頻度の高い、棒高跳びのピット付近とゴール地点を中心に競技時間に応じて、競技を観察しやすい場所に適宜移動していきます。

各地点には、担架、救急バッグを準備し、棒高跳びピットには固定装具も準備しておきます。

大出血に対応できるよう、ガーゼ、タオルなどの準備もしておきます

 

活動する際には以下のような注意事項を守って活動するようにします。

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